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2026.04.27

【ロングインタビュー】Bリーガー・木下誠選手が母校に凱旋!「バスケットを心から楽しみ、自分の感覚を磨こう!」

今回は、母校である巽中学校に凱旋したプロバスケットボールプレーヤー・木下誠選手のスペシャルインタビューをお届けします! 中学時代の思い出から、プロで直面した壁、独自の「マジやばい動き」の秘密、そして中学生へのアドバイスまで、たっぷりとお話を伺いました。

大阪エヴェッサ 木下誠選手
木下きのしたまこと選手
ポジション PG / SG
生年月日 1997年3月31日
身長 / 体重 185cm / 80kg
出身地 大阪市生野区
経歴 大阪学院大学 → 名古屋ダイヤモンドドルフィンズ → 大阪エヴェッサ

小学3年生からバスケットボールを始め、地元の北巽小、巽中、大阪学院大学高校から大阪学院大学へ進学。大学4年次に特別指定選手として名古屋ダイヤモンドドルフィンズに加入し、プロキャリアをスタート。2021年に地元・大阪エヴェッサへ移籍すると、持ち前の高いパスセンスや鋭いドライブからの得点力を武器に、チームの軸として活躍。「味方を活かすことが好き」と語る一方で、勝負どころでのシュート力も光るマルチプレイヤーです。

木下選手から子どもたちへのキーメッセージ

1

いろいろな経験を、自分の競技に落とし込む。感覚や感性は人から教わるものではなく、自分で体験して掴むもの。

2

偶然で終わらせず、「なぜ」を考える。たまたまできた動きを「方程式」にして、再現できるまで反復する。

3

周りを活かせば、チャンスは必ず返ってくる。まずは仲間を生かす。その先に自分の出番がやってくる。

木下 誠 選手

卒業してからは遊びに来る機会もなかったので、本当に久しぶりですね。体育館に冷暖房がついたのは当時と違いますが、建物の雰囲気などはそのままで、昔の練習風景を思い出しました。当時のバスケ部は15人くらいで、私は中学3年の時にキャプテンを務めていたんですよ。

Q.中学時代は、どのような練習をしていましたか?

体育館を使える時間が限られていて他の部活と兼用だったこともあり、外周をよく走っていましたね。当時の私としては「ちょっと練習量が物足りないな」と感じるくらいでした。だから平日はクラブチームにも所属して、まさにバスケ漬けの毎日を送っていました。今日の中学生たちを見ていても、エネルギーが有り余っていて全然動けるなと羨ましく思いましたよ。

Q.将来プロになることは、当時から意識されていたのですか?

いえ、もともとプロになる予定は全然なかったんです。大阪学院大学の4年生の時、関西選抜として関東の大学と試合をしたのですが、その後にB1のチームから9チームほどオファーをいただいて。そこではじめて「自分は選手として需要があるのかな」と思い、大学の監督に相談しました。

Q.そこでプロ入りを決意されたのですね。

はい。監督から「人生一回、行ってみ」と背中を押され、プロの世界に飛び込むことを決めたんです。そのタイミングまでは、ただ伸び伸びと楽しくバスケをやっていた状態でしたね。それが私には、逆に良かったのかもしれません。

Q.プロの世界に入って、すぐに通用しましたか?

全然通用しなかったです(笑)。大学とプロではやっぱり大きな差があり、壁を感じましたね。バスケの技術があっても、当たり合いで負けることが多々あったんです。そこで、まずは体重を増やし、当たっても大丈夫なブレない体作り、体幹トレーニングから始めました。

Q.1年目はどのように過ごされたのでしょうか?

最初に入団した名古屋ダイヤモンドドルフィンズでは、周りとも話し合い、試合に出ることよりも「まずは体作りと環境に慣れること」を優先しました。その時のトレーニングは本当に苦しかったですが、体がフレッシュで回復も早い21、22歳の時期に、しっかりとした土台を作ってもらえたことが、今のプレーに活きていると思います。

Q.木下選手は「身体操作性(自分の体を思い通りに動かすこと)」に優れていますが、幼少期の日本拳法の経験が活きているそうですね。

そうですね。小学校2年から中2くらいまで、バスケよりも前から日本拳法をやっていました。総合格闘技のようにコンタクトもある競技です。格闘技って、自分の可動域や「ここに行けば届く」といった距離感を、一番知ることができる競技だと思うんです。

Q.それがバスケの動きにも繋がっていると。

はい。自分の間合いが分かっているから、バスケでも「この位置ならボールを取られないな」という距離感を把握できているんだと思います。最近でも他の競技にも興味があり、一緒にトレーニングする野球選手の動きを教えてもらったり、オフシーズンにはフットサルをしたりします。

Q.他の競技からも吸収しているのですね。

いろいろな競技を体験することで、動きの違いや共通点に気づき、吸収できるんです。感覚や感性って人から教えられるものではないので、自分で色々なことを体験して、いかに自分の競技に落とし込んでいくかが大事だと思っています。

Q.アシストなどの得意なプレーは、どのように練習して身につけているのでしょうか?

感性だけでやるのではなく、「なぜその動きができたのか」をコーチと話し合い、ロジックを組んで練習しています。たまたまできた偶然で終わらせず、「これが答えだ」という方程式を見つけ、その動きを解析して再現できるように反復練習をしています。待っていても「ゾーン」のような状態は来ないので、理由を見つけて身につける考え方です。

Q.動きの確認のために、ご自身のプレー動画を見たりはしますか?

実は、動画はあまり見ないようにしているんです。頭に残っているイメージのまま体を動かしたいんですよね。動画で見ている動きと、実際にやっている感覚にはズレがあります。動画の動きを真似ようと演じてしまうと、逆にぎこちなくなってしまうかもしれないので、自分の体の感覚を信じてやっています。

Q.周りを活かす献身的なプレースタイルは、いつ頃から意識されたのですか?

プロに入ってからですね。プロにはすごい選手がたくさんいる中で、自分がどう生き残るかを考えました。「まずは人を生かす方が楽だよね」と。周りを活かすプレーをしていれば、いつか自分にチャンスが返ってくる。その時にしっかり結果を出せばいい、という考え方にシフトしました。

Q.中学生に向けて、バスケットボールとの向き合い方のアドバイスをお願いします。

中学時代は、ひたすらひたむきに頑張って、「バスケットを楽しむ」ことが一番だと思います。「楽しくやる」のではなく、バスケットという競技そのものを楽しんで好きになってほしいですね。そして高校生くらいになったら、シュート1本の大切さを感じ、バスケットを自分の中でしっかり分析して勉強していくのが良いと思います。

Q.うまくいかない時など、考え方を切り替えるリフレッシュ方法はありますか?

バスケをやらない日は、完全にバスケから離れます。オンとオフをはっきり分けて、ボールも触らないようにしています。Bリーグのシーズン中でも、月曜の休みには友達に会ったり食事に行ったりしてゆっくり過ごします(以前は推し活もしていました 笑)。

Q.思い詰める前に休むことも大切なのですね。

はい。「やらないといけない」と思い詰めすぎると、どこかで疲れたり破綻してしまいます。これはバスケだけでなく人生も同じで、周りが見えなくなってしまうんです。だから私は、人生を平行に保つように、休む時はしっかり休むことを大事にしています。バスケが嫌になる前に、1、2日離れて他のことをしてみるのも一つの考え方ですよ。

Q.中学生時代の体作りや食生活について教えてください。

実は中学生の時は食が細くて、身長も160cmくらいと小さく、ガリガリだったんです。プロに入ってから食生活の大切さを痛感し、カロリー計算などをしてもらって体を作りました。でも現在は、好きな時に好きなものを食べるストレスフリーな生活をしています。

Q.ストレスフリーな食生活ですか?

はい。嫌いなものを無理して食べるストレスの方が、自分にとってはマイナスだと気づいたんです。好きなものを食べてその分しっかり動くようにしたら、かえって体が健康になり、動きも良くなりました。人それぞれ体は違うので、カロリー計算だけでなく、自分に合ったストレスのないやり方を見つけることも大切だと思います。

Q.最後に、巽中学の後輩たちや地元の中学生へメッセージをお願いします。

母校が全国大会出場など活躍しているのは本当に嬉しいですし、誇っていいことだと思います。これからもバスケを続けて、Bリーグに入ってくる子が出たら「自分の母校の後輩です!」と紹介できるので楽しみですね。私自身、地元を盛り上げたい気持ちが強いので、中学生たちに会って喜んでもらえるのは大きな励みになります。これからも頑張ってください!

木下選手、ありがとうございました!

本イベントは、同校男子バスケットボール部が創部以来初となる全国中学校体育大会(全中)への出場を決めたことを受け、大阪エヴェッサの田中亮コーチと、同校出身の木下誠選手が後輩たちを直接激励したいという想いから実現しました。背景には、プロ選手の活躍を通じて「地域に根ざしたスポーツの力で子どもたちを元気づけたい」という地域スポーツ関係者の想いがありました。

また本取り組みは、アスリートサポートジャパンが推進する中学生向け身体操作能力向上プログラム「マジやばい動きプロジェクト」と、大阪エヴェッサが推進するSDGs活動「OSAKA EVESSA SDGs ACTION AND YOU」のもと実施されました。

当日は、プロの技術を間近で体感できる実技指導や交流の場を設け、単なる技術支援にとどまらない、トップアスリートの姿勢に触れる貴重な機会となりました。なお、当日の模様は、同団体が2026年5月発行のフリーペーパー『スポエール!vol.14』と、プレスリリースで紹介しています。

アスリートサポートジャパンは今後も、プロチームと学校現場をつなぐ架け橋となり、子どもたちがそれぞれの目標に向かって挑戦できる環境づくりを推進してまいります。

背景

本イベントは、此花区に縁のある地域スポーツ関係者から「プロ選手の活躍を通じて子どもたちに夢や目標を届けたい」という相談を受けたことをきっかけに始まりました。

アスリートサポートジャパンは、此花区を拠点とする大阪エヴェッサと連携し、巽中学校出身の木下誠選手の協力のもと母校訪問を実施しました。創部以来初となる全国中学校体育大会(全中)出場という快挙を成し遂げた後輩たちにとって、第一線で活躍する卒業生から直接エールを受ける機会となりました。

「マジやばい動きプロジェクト」について

「マジやばい動きプロジェクト」は、子どもたちの「身体操作性(=自分の身体を自分が思った通りに動かす能力)」を育てることを目的とし、2024年11月に発足しました。中学校の体育の授業や部活動の時間を使って、プロのフィジカルトレーナーが直接指導を行うプロジェクトです。

本プロジェクトは、フリーペーパーにて継続的に特集を組み、その活動内容を紹介しています。

これまで大阪市立蒲生中学校、大阪市立加美中学校、堺市立殿馬場中学校、堺市立浜寺中学校などで実施し、延べ400名以上の生徒を指導してきました。特定の競技種目に偏らず、すべてのスポーツの根幹となる「連動性」を養うことを重視し、運動能力の向上やスポーツ障害の予防につながる指導を行っています。

今後の展望

「マジやばい動きプロジェクト」は、今後も実施校を順次拡大し、2026年内には既存校を含め累計10校以上へのプログラム提供を目指します。年間で1,000人以上の子どもたちに、身体を動かす楽しさや可能性を届けてまいります。また、プロチームと学校現場をつなぐ架け橋として、次世代を担う子どもたちの健やかな成長を支える取り組みを継続して推進していきます。

「OSAKA EVESSA SDGs ACTION AND YOU」について

大阪エヴェッサが推進するSDGs活動で、「バスケットボールで大阪を元気に。スポーツの力で、あなたと共に、より良い未来を。」をコンセプトに掲げています。「子どもたちのために(青少年育成)」「地球のために(環境)」「街のために(地域振興)」の3つを柱とし、パートナー企業や行政、地域団体、ファンとともに、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを展開しています。

大阪エヴェッサについて

大阪市をホームタウンとして、B.LEAGUE B1に所属するプロバスケットボールクラブです。 チーム名の「大阪エヴェッサ」は七福神のお一人で商売繁盛の神様である「戎様(=えべっさん)」から、 人情・笑い・商売の街大阪を活気づける存在であることを願い命名されました。2005年のbjリーグ発足時から参入し、3連覇を達成した実績を持つ伝統あるチームで、おおきにアリーナ舞洲(大阪市此花区)をホームアリーナとしています。

一般社団法人アスリートサポートジャパンについて

アスリートサポートジャパンは、「子どもたちがスポーツで夢を追い続けられる環境を創る」ことを目指しています。代表自身の野球経験を通じて、怪我や環境の制約により、子どもたちが十分な機会を得られていない現状を痛感しました。近年、データやトレーニング技術は進化していますが、それを活用できている子どもはごく一部に限られています。アスリートサポートジャパンは、こうした課題を解決するため、次の3つを柱に活動しています。①誰もが質の高い身体と心の基礎づくりトレーニングにアクセスできる環境づくり、②ジュニア分野で活躍するトレーナーやメンターの育成と支援、③子どもたちを社会全体で支える仕組みの構築です。多くの人々の共感と協力を得ながら、アスリートサポートジャパンは子どもたちの「後悔」を減らし、「希望」を育て、より良い未来の創造を目指しています。

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